四条通りを中心に、鴨川を挟んで東西に広がる一帯は、京都でも一番の歓楽街、祇園。
特に四条大橋から東へ進み祇園祭で有名な八坂神社までの通りは、年間を通して観光客や地元の人に賑わいが絶えません。その裏には桜の名所として名高い円山公園があります。
円山公園の北にあるのが、青蓮院門跡・知恩院、そして南側には高台寺、さらに進むと、世界遺産である清水寺と、有名な寺社仏閣が軒を連ねているエリア。
祇園から清水寺までのルートは、春の桜、秋の紅葉ライトアップや、早春の東山花灯路など、夜も美しく彩られるシーズンは特に混みあう人気スポットです。
今回は祇園~清水寺エリアの代表的な観光スポットをまとめました。
モデルコース: 祇園・花見小路通り → 先斗町 → 八坂神社 → 円山公園 → 青蓮院門跡 → 知恩院 → 高台寺 → 圓徳院 → 二寧坂・産寧坂 → 清水寺 → 地主神社 → まとめ
花街である祇園のメイン通り。北は三条通から南は安井北門通まで約1kmの通りは石畳で整備され、お茶屋が軒を連ねています。
電線が地中化されていて、昔ながらの風情を残す風景が外国人にも人気のスポットです。運が良ければ舞妓さん・芸妓さんに会えるかもしれませんね。
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https://www.photo-ac.com/main/detail/2360489?title=%E5%85%88%E6%96%97%E7%94%BA%E6%8F%90%E7%81%AF
鴨川に沿って、三条通の一筋南から、四条通まで続く約500mの細い路地。京の五花街の一つとして有名な場所で、道の両側にはたくさんの飲食店やショップが並びます。
軒先に下がる千鳥マークの提灯がトレードマーク。京都らしい町並みを見て歩くのも楽しいです。
八坂神社は、四条通りの突き当たりにある神社で、祇園のシンボルともいえる存在です。
平安時代の創建で、古来より商売盤上や開運招福の神として信仰を集め、別名「祇園さん」とも呼ばれています。日本三大祭りの一つ「祇園祭」は八坂神社の祭礼です。
四条通の突き当たりにある朱塗りの西楼門と本殿は、国の重要文化財に指定されており、記念撮影スポット。出入り口が東西南北に開けているので、24時間参拝可能です。
境内の東側には桜の名所として有名な円山公園があり、一年中観光客や地元の参拝客で賑わっています。
住所:〒605-0073 京都府京都市東山区祇園町北側625
電話:075-561-6155
アクセス:京阪祇園四条駅より徒歩で約5分/阪急河原町駅より徒歩で約8分/市バス206番祇園下車すぐ
拝観時間:24時間
拝観料金:無料
URL:http://www.yasaka-jinja.or.jp/
円山公園は八坂神社の東側にあり、京都最古ともいわれる公園。もとは八坂神社をはじめとする寺社の境内の一部でしたが、明治時代に約9万㎡の広大な敷地の公園となりました。
約680本の桜が庭園に植えられ、京都でも屈指の桜の名所として、枝垂れ桜のライトアップが行われ、春は特に賑わう場所。入場料は不要で、小川治兵衛作の回遊式庭園を間近にみて楽しむことができます。
住所:〒605-0071 京都府京都市東山区円山町463
アクセス:京阪祇園四条駅より徒歩で約10分/阪急河原町駅より徒歩で約15分/市バス206番祇園下車5分
拝観時間:24時間
拝観料金:無料
URL:なし
天台宗の寺院で、代々皇族の方が門跡(代表)を務めた由緒あるお寺。「愚管抄」の著者である慈円も門主を務め、浄土真宗の宗祖である親鸞聖人が得度したお寺でもあります。
江戸時代には後桜町上皇が仮御所としたこともあり、「粟田御所」と呼ばれることも。
三千院、妙法院と共に天台宗の三門跡寺院とされ。日本三不動の一つである国宝「青不動」(青い不動明王を描いた平安末期の絵画)が収蔵されていることでも有名です。
境内全域が国の史跡となっており、宸殿を中心とした殿舎と、相阿弥・小堀遠州・大森有斐と名だたる人物が作庭した庭が見事。春と秋にはライトアップが施され、幻想的な風景を楽しむこともできます。
住所:〒605-0035 京都府京都市東山区粟田口三条坊町69-1
電話:075-561-2345
アクセス:京都市営地下鉄東西線「東山」駅より徒歩5分/市バス5・46・100番「神宮道」下車3分
拝観時間:9:00~17:00(16:30受付終了)
(行事によって変更の場合あり)
拝観料金: 大人500円 中高生400円 小学生200円
URL:http://www.shorenin.com/
知恩院は、浄土宗の総本山のお寺です。宗祖の法然上人が後半生を過ごし、没した地に建てられています。詳名は華頂山知恩教院大谷寺(かちょうざん ちおんきょういん おおたにでら)。その象徴ともいえる壮大な三門には「華頂山」の文字が見えます。
浄土宗を進行していた徳川将軍家が、その造営を行い、二条城と共に京都における徳川家の拠点となりました。境内は無料で参拝できますが、「方丈庭園」と「友禅苑」は拝観料が必要です。
念仏の信仰を広めるために、多くのイベントや広報活動を行っており、近年は春と秋の夜間ライトアップ「お坊さんに会いに行こう」や、法然上人の忌日法要の「ミッドナイト念仏」など、キャッチーなPRも話題になっています。
住所:〒605-8686 京都府京都市東山区林下町400
電話:075-531-2111
アクセス:京都市営地下鉄東西線「東山」駅より徒歩8分/京阪祇園四条駅より徒歩で約10分/阪急河原町駅より徒歩で約15分/市バス12・31・46・201・203・206番「知恩院前」下車5分
拝観時間:(3~5月・9~11月)5:30~16:00(6~8月)5:00~16:00(12~2月)6:00~16:00
(行事によって変更の場合アリ)
拝観料金:無料(以下の庭園のみ拝観料が必要です)
方丈庭園 高校生以上 400円/小・中学生 200円
友禅苑 高校生以上 300円/小・中学生 150円
共通券 高校生以上 500円/小・中学生 250円
URL:https://www.chion-in.or.jp/
高台寺は、豊臣秀吉の正室・北政所ねねのゆかりのお寺として知られています。秀吉の死後、その菩提を弔うために、1606年に開創しました。
敷地内には秀吉と北政所を祀る「霊屋」や、利休の意匠による伏見城から移築した茶室「傘亭」「時雨亭」があり、火災を免れた建築物は国の重要文化財に指定されています。
高台寺は、東山の山麓に沿って建てられており、小堀遠州の作である庭園を回遊して散策することができるようになっています。高台寺といえば、方丈から眺め前庭の枝垂れ桜が特に有名です。
東山花灯篭の時期から桜の時期、そして秋の紅葉の時期には、プロジェクションマッピングを使用した近代的な音と光のライトアップが繰り広げられ、見るものを楽しませてくれます。
住所:〒605-0825 京都府京都市東山区下河原町526
電話:075-561-9966
アクセス:京都市営地下鉄東西線「東山」駅より徒歩18分/京阪祇園四条駅より徒歩で約12分/阪急河原町駅より徒歩で約18分/市バス18番「東山安井」下車7分
拝観時間:9:00~17:30(17:00受付終了)
(行事によって変更の場合アリ)
拝観料金:大人 600円 中高生 250円 小学生無料
圓徳院との共通券 900円
URL:http://www.kodaiji.com/
圓徳院は、高台寺の向かいにあるお寺です。豊臣秀吉の正室・北政所ねねが、高台寺を建築するにあたって、その向かいの土地に伏見城の化粧御殿と前庭を移築して住まいとした場所であり、ねねはこの地で余生を過ごしました。
その庭は、桃山時代の代表的庭園の一つとして国の名勝となっています。
後年、兄の木下家定とその次男に当たる利房によって、木下の菩提寺として開山。高台寺の塔頭となりました。
豊臣秀吉の出世を支えたと言われる「三面大黒天」を祀る御堂もあり、高台寺とあわせて拝観できるセット券も販売されているほか、バラエティ豊かな御朱印をいただくこともできます。
住所:〒605-0825 京都府京都市東山区高台寺下河原町530
電話:075-525-0101
アクセス:京都市営地下鉄東西線「東山」駅より徒歩18分/京阪祇園四条駅より徒歩で約12分/阪急河原町駅より徒歩で約18分/市バス18番「東山安井」下車7分
拝観時間:10:00~17:30(17:00受付終了)
(行事によって変更の場合アリ)
拝観料金:大人 500円 中高生 200円 小学生無料
高台寺との共通券 900円
URL:http://www.kodaiji.com/entoku-in/idx.shtml
<higashiyama_15>
https://www.photo-ac.com/main/detail/1064098?title=%E4%BA%AC%E9%83%BD%E8%A6%B3%E5%85%89
二寧坂(にねいざか)・産寧坂(さんねいざか)は、高台寺方面から清水寺に至る参道で、それぞれ二年坂、三年坂とも呼ばれています。
名前の由来には諸説ありますが、産寧坂は、清水寺の子安塔への安産信仰から(お産がやすらか、おだやか=寧でありますように、という願い)、二寧坂は産(三)寧坂の下にあるからという説も。
二年坂・三年坂のもう1つの名前の由来と言われる、坂で転ぶと二年坂は二年、三年坂は三年以内に死ぬというのは、石段や坂道に気を付けるようにという意味で語り継がれたものだと言われています。
一帯は重要伝統的建造物群保存地区となっていて、街並みが保存されているので、京都らしさを味わえる人気の散策スポット。沿道には多くの土産物屋さんや飲食店が並びます。
URL:http://www.2nenzaka.ne.jp/
<higashiyama_16>
https://pixabay.com/ja/photos/%E6%97%A5%E6%9C%AC-%E4%BA%AC%E9%83%BD-%E6%B8%85%E6%B0%B4%E5%AF%BA-%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2-1432858/
音羽山の斜面にせり出すように建てられた本堂「清水の舞台」で知られる寺院。世界遺産として登録されています。
778年(宝亀9)延鎮上人が開山、798年(延暦17)坂上田村麻呂の創建と伝わる、歴史ある寺院で、日本でも有数の観音霊場であり、「枕草子」や「源氏物語」にもすでに清水観音の記述がある程です。
清水の舞台から市内を一望できる本堂のほか、およそ30にもおよぶ堂塔伽藍があります。
見どころは、金剛力士の立つ仁王門、極楽浄土の入口とされる西門、鐘楼、日本最大級の三重塔、安産の信仰を集めた子安塔など。いずれも重要文化財に指定されています。
本堂を抜けた先には三本の筧から水が流れ落ちる「音羽の滝」は、それぞれ意味合いが異なるパワースポット。今も昔も清水のパワーを受けたい拝観客でにぎわう場所です。春と秋にはライトアップも実施しています。
住所:〒605-0862 京都府京都市東山区清水294
電話:075-551-1234
アクセス:京阪祇園四条・清水五条駅より徒歩で約25分/阪急河原町駅より徒歩で約28分/市バス18・100・206番「五条坂」下車10分/市バス207番・京阪バス83・85・87・88系統「清水道」下車10分
拝観時間:6:00~18:00(年ごとに変更なので、以下のURLより確認ください)
https://www.kiyomizudera.or.jp/access.php
(行事によって変更の場合アリ)
拝観料金:大人 500円 中高生 200円 小学生無料
高台寺との共通券 900円
URL:https://www.kiyomizudera.or.jp/
<higashiyama_17>
https://pixabay.com/ja/photos/%E4%BA%AC%E9%83%BD-%E6%97%A5%E6%9C%AC-%E6%B8%85%E6%B0%B4%E5%AF%BA-%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2-1497604/
縁結びで有名な神社で、清水寺の本堂の隣に位置しています。
「恋占いの石」は、10mほど離れて立つ2つのご神石。その間を目を閉じて歩いてたどり着ければ恋が成就するという謂れがあり、恋愛成就を願う人たちで、境内はいつも賑わっています。
地主神社は、神代の時代に創建されたといわれており、清水寺よりもはるか昔よりその地にありました。近年の研究では「恋占いの石」は縄文時代の遺物であることが確認されています。
奈良時代の様式を残す本殿は、拝殿と総門と共に重要文化財時に指定。清水寺の一部として、世界遺産にも登録された神社です。
住所:〒605-0862 京都府京都市東山区清水1丁目317
電話:075-551-1234
アクセス:京阪祇園四条・清水五条駅より徒歩で約30分 /市バス18・100・206番「五条坂」下車10分/市バス207番・京阪バス83・85・87・88系統「清水道」下車10分
拝観時間:9:00~17:00
拝観料金:無料(清水寺の入山料が必要)
URL:http://www.jishujinja.or.jp/
観光客でにぎわう京都の中でも、繁華街に隣接しているとあって、トップクラスの人気を誇るこのエリア。
祇園エリアまでは、JR京都駅からバス、阪急河原町もしくは京阪祇園四条と鉄道網があります。寺社仏閣のエリアは青蓮院門跡・知恩院は地下鉄東西線の東山駅からも比較的近いのですが、他の場所については祇園エリアから歩くか、バスに乗ることになります。
ただ、バスの運行状況は交通状況に大きく左右されます。平日でも渋滞しがちなエリアなのと、観光客の増加からバスにそもそも乗れないという問題も発生しており、観光シーズンはバスよりも歩いた方が早いということになりがちです。
バスを使うというのであれば、比較的すいている午前中にバスで、清水道か五条坂で降り清水寺近辺を先に回ってから祇園方面まで歩いて戻ってくるというプランがおすすめ。
東山はその名の通り「山」なので、存分に楽しむためには、スニーカーなどの歩きやすい靴でお出かけしましょう。
他のエリアではレンタサイクルという手段もありますが、このエリアではそもそも駐輪場がなかったりするので、レンタサイクル自体がありません。人力車もありますが、車と人通りが多いところでは移動手段としては適さないでしょう。
レンタル着物などで楽しみたい場合は、あれもこれもと回るよりは、1~2か所をゆったりと回ることをおすすめします。
祇園~清水寺のエリアは、かつて都だった京都の、雅な街の風景を現代に伝えてくれる風情のある景観が楽しめる場所です。
寺社仏閣は春や秋の夜間ライトアップの時期をのぞけば夕方には閉まってしまいますが、祇園界隈は夜も楽しい街。美味しくてお洒落な飲食店や、雰囲気の良いバー、情緒のある鴨川べりの散策など、夜も楽しめるスポットがあり、ナイトライフも充実しています。
そんな祇園・河原町界隈は、従来はあまり宿泊施設がありませんでしたが、近年は、外国人観光客のニーズもあり、ホステルやカプセルホテルといった、手軽に宿泊できる宿が多く整備されてきました。
大浴場やマットレス、プライべートスペースやラウンジといった設備が充実し、かつての安宿と言ったイメージは一新、時代の変化に敏感な人たちの人気を集めています。
時間を有効に使うためにも、こうした新しいタイプのホテルにもチャレンジされてみてはいかがでしょうか。
寺社仏閣の拝観だけでなく、ショッピングや飲食といった街の楽しみがあるのも、このエリアの大きな魅力なので、せっかくであれば数日かけて存分に街を楽しみたいですね。
Churako
沖縄在住の愛猫と暮らすWEBライター&工芸作家(月桃カゴ編み)です。 東京・大阪・福岡に住んでいたので、関東・関西・九州方面に出向いてお仕事をすることもしばしば。そのときに利用したホテルやラウンジを中心にご紹介しています。
編集&校正 ビー・エイブル